有機栽培へのこだわり

私たちは、永続的な農業の手段として有機栽培を実践しています。生産面では、除草剤を使わないことで、土に負担をかけずに栽培することができます。販売面では、相場に左右されない取引を行うことで、計画的な生産を行うことができます。

有機栽培は、梅の品質にも良い影響をもたらすと考えています。過去に梅の成分分析を実施したところ、有機栽培の梅は食品成分表の数値と比べて、ビタミンA(カロテノイド)や有機酸(クエン酸)が多く含まれているという結果が出ました。

梅に含まれる成分は、圃場の土質や日当たり、その年の気候によって変動しますが、1つの参考としています。

共同堆肥づくり

有機栽培で使用可能な市販の肥料類は限られているため、自分たちで梅に適した堆肥を製造しています。

堆肥作りで一番活躍するのは、この地域に根付いた土着菌です。畑の一部で草を刈り積み上げておくと、次第に多様な微生物(土着菌)が集まり分解を始めます。この土着菌に米ぬかなどの栄養を与えてあげると、活発に発酵をはじめ60℃ほどまで温度が上がり、3か月かけて良質な堆肥に仕上がります。

混ぜ込みや取り出しはメンバー総出で行います。最初は黄土色だった原料が、取り出しの際には焦げ茶色のきれいな堆肥に代わります。もくもくと上がる湯気、辺りにはチョコレートのようなヨーグルトのような、何とも言えない甘い香りが漂います。

堆肥を袋に入れて各自持ち帰り、今年もよい実をつけてくれるよう、一本一本丁寧に与えます。

有機梅の一年