「おもしろくやろう」創設者より
「どっこいしょ」と畑の畦に腰を掛けて、田辺湾とその先の太平洋の水平線を見ながらお茶を飲み、ほっと一息つく。これから、おもしろくやろうの中味を少しご紹介しましょう。
田辺印の会は、家族経営の有機農業を安定的に発展させるために2008年4月に発足しました。その合言葉は「おもしろくやろう」というものです。
自然をしっかり観察して確かな有機農産物を作り、お客様にお届けする。これに加えて、地域活動(町内会・消防団・PTAなど)に積極的に参加する。また、JA等の協同活動にも参加し、共に歩む。さらには、私達の身近にある熊野古道の捻木(ねじき)峠~潮見峠間約2kmを年間3回ボランティアとして道普請を行います。もちろん、磯釣りやお酒の会も楽しく行います。
さらに有機農産物は、人間が自然により近づいて生産された食材として、その栄養価・安全性・おいしさなど優れた価値を持ちます。このことを多くの人々に知っていただくために、農家はお客様をはじめ多くの人々と「おもしろい」関係を作ることも大切だと思う今日この頃です。
令和元年9月1日 溝口博一
田辺印とは
江戸時代、備長炭や木材などが田辺地域から大阪や江戸へ出荷されていました。大阪や江戸では、田辺から来た荷物の品質が良かったことから、「田辺印」と呼んでご愛顧いただいたとの言い伝えがあります。
私たちは、有機栽培にこだわり、間違いない品質の商品を田辺から全国へ届けようという想いから、言い伝えにあやかって「田辺印の会」と名付けました。
次世代に引き継ぐ
400年の歴史を持つ田辺の梅栽培は、古くから人々の暮らしと切り離せない存在でした。
梅畑を作る際、畑の周りにウバメガシ(備長炭の原料)の林を残すことで、梅の授粉に必要なミツバチのすみかとし、持続可能な農業を形作っていました。(世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」)
私たちは、有機農業を実践し、この地域に受け継がれてきた梅栽培を次世代に引き継いでいきます。